私的音楽二十選 2015 【前半】

現在自分が何を好んでいるのかを書き記すことが何かにつながるかもしれないと思っているので、2015年現在の自分の中でのベストアルバムを20枚選んでみました。これはミュージシャンのbeipanaさんがやっていたのを真似しているわけですが。

自分が音楽を自覚的に好きになったのは多分中学3年の頃だったと思います。それまでなんとなく聴いていたJ-POPを聴かなくなって、THE BLUE HEARTSにハマった。「音楽を聴こう」と急に思い立ち、「ロック」ときいて思い浮かぶ名前をあてにしてThe BeatlesThe Rolling StonesEric Claptonなどのいわゆるクラシックロックから自発的に聴くようになりました。当時はストーンズのいったい何がかっこいいのかわからなかったけれど、かっこいいはずだと思い込んで聴いていました。今となってみればこのやせ我慢があって本当に良かった。この我慢ができなくなってしまったら、新しい分野に進むこともできなくなってしまうんじゃないかと思っています。少しのやせ我慢を伴いながら新しいジャンルに飛び込むのは、良さが分かって来た時が嬉しくて楽しくて、最近そうしてヒップホップとブラジル・ラテン音楽にハマりかけています。今まで知らなかったものだらけのジャンルは、目の前にまだ開けられていない宝箱がうず高く積まれているようで本当に楽しいです。

幸い父親が音楽好きで、高校時代にはLed Zeppelinのコピーバンドをやっていたり、細野晴臣を師と仰いでいたりしたような人だったので家に色々なCDがあり、今でもそこからたまに新しいものを探してきて聴いたりしています(父はラテン音楽は好きなようですがヒップホップは一切聴きません)。

ともかくまあそうして音楽を聴き始めたことは結果的に美術や映画の扉も開けてくれる事にもなったのだと思います。僕の場合には。

 

順不同で20枚あげるうちの、まずは最初の10枚。来年になっても変わっていなさそうな10枚を。

 

1.Sly & The Family Stone - There's A Riot Goin' On (1971)

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僕にとってブラックミュージックの魅力を知るきっかけでもあり、ファンクとの出会いでもあった1枚。中学3年のいつかの下校時に、iPodに入れたこのアルバムの1曲目を初めて聴いた瞬間、校門前で心が小躍りしたのを今でも憶えています。静かな熱が聴いている方をも熱くさせるこの感じ。今でもまだこのアルバムにはマジックを感じますし、そしてまたこの熟成された空気感の中にスライ・ストーンという人の青春のようなものも感じられます。だから、日本で再結成ライブをした時に細野晴臣がFamily Affairを聴いて泣いた、という話を読んだ時にその気持ちが分かる気がしました。細野さんにとってスライは最重要バンドのひとつでしょうし、青春でもあったんだろうなと思います。
少し暗いですが初めての人にも聴きやすいファンクのはずです。やるせない気持ちの時なんか、どうでしょうか。

 

 

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2.James Brown - Love Power Peace Live At The Olympia Paris 1971 (1992)

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ファンクの始祖といえばこの人ですが、僕がJBで最初に聴いたアルバムはまだJBがファンクを始める前のものでした。それはその時あまりよくわからなかったんですが、このライブ盤を聴いてがつんとやられました。こんな演奏されたらもう踊るしか無い、というくらいの熱量と技術。このパリライブは映像も残っているんですが、それはもう恐ろしいです。JBのキレキレのダンス。この頃のバンドメンバーには、後にP-Funkでも活躍するブーツィー・コリンズ(ベース)と兄のキャットフィッシュ・コリンズ(ギター)、フレッド・ウェズリー(トロンボーン)らがいて、ノリにノっているという佇まい。映像としても面白いです。ちなみにこのライブが行なわれた1971年と同年に上記のスライの『暴動(There's A Riot Goin' Onの邦題)』が発表されていますね。

そういえばこのライブ盤を高校の時に同じバンドでベースをやっていた友達に貸したら「よくわからなかった」といって返ってきた切ない思い出があります。

下の映像は音がかなり悪いですがCDではカットされている諸々(ブーツィーのベースソロなど)が聴けたりします。最初の2曲がおすすめです。

 

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3.The Band - The Band (1961)

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ジャケットが最高です。この人たちはどうやら南北戦争の頃の服装をしているそうで、シブすぎです。父親のCD棚の中からこのジャケットを見つけて、かっこいい…と思って聴いてみたらおじさんくさい音楽が流れてきました。聴いているうちに身体に馴染んでくるような音楽でした。

僕はリヴォン・ヘルム(ボーカル、ドラム、マンドリン)が顔をしかめて歌う姿がたまらなく好きで、ロックミュージシャンの中で一番かっこいいのは彼だと思っています。彼のドラムは素朴で心に響くからとても好きです。粘りのある声も。

吉祥寺の名画座バウスシアターが閉まる最後の日に、このザ・バンドの解散ライブの映画『Last Waltz』(マーティン・スコセッシ監督)を爆音上映で観たことが忘れられません。その映画の中から僕の1番好きな曲を。The Bandの代表曲であり、南北戦争のことを歌った曲でもあります。

 

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4.The Shins - Wincing The Night Away (2007)

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素晴らしきインディーミュージック。あちこち行き来するグッドメロディーとシャウト気味の高い声がどこかなつかしい場所へ連れて行ってくれます。アレンジはとにかくポップ、それでいて洒落っ気があって、60年代の音楽の影響も感じます。こういう音楽を作る音楽家の人をもっと見つけたいなと思います。「Phantom Limb」は良い曲ぞろいのこのアルバムの中でも1番の名曲です。

 

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5.James Blake - James Blake (2011)

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自分の心の内から聴こえてくるような音楽というものがあります。僕にとってはそれがこれでした。アナログな声の重なりが原初的で神秘的なイメージを呼び起こしてくれます。音楽というものが生まれてから今までにはるかな年月が経っているはずですが、このアルバムを聴いていると音楽が昔から持っているはずのプリミティブな力を強く感じ、この若い音楽家は時代を超えた音楽の芯をとらえているんじゃないかと思えてきます。

 

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6.Beck - Sea Change (2002)

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Beckの音楽は常に変わり続けていますが、いつも時代と付かず離れずなところにいるような感じがします。『Sea Change』はローファイなアルバムで世に出てきたBeckが思い切りハイファイな音を目指した作品ですが、ギミカルな曲を作るイメージだったBeckが直球の歌モノで勝負したらこんないいアルバムを作ってしまった、というのはリアルタイムで追っていたらきっと相当驚いたと思います。

音を大きめにして歌とギターとオーケストレーションの音の世界に浸かるように聴くと気持ちが良いアルバムです。

  

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7.細野晴臣 - 泰安洋行 (1976)

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エキゾチカは"ここではないどこかを夢見る"ことだと誰かが言っていたような気がします。このアルバムを聴いたときに思い浮かぶのは、ネオンが妖しく光る香港の裏路地や、カリブからハワイを通って沖縄へと吹く太平洋の風や、東南アジアの湿度たっぷりの市場(全部行った事ない)、あるいはそれらが混ざり合った風景。時代の流れを離れた音楽が鳴っているあいだは、僕らもどこかへ思いを馳せることができるのです。たぶん。

演奏の話をすれば、ドラム(林立夫)とピアノ(佐藤博)が素晴らしいです。佐藤博はピアノを20歳から死ぬほど練習してここまで弾けるようになったらしいですね、Wikipediaに書いてありました(情報が正しいかは分かりません)。僕も今からピアノちゃんと練習したらもう少し上手くなれるんでしょうか。今はとても下手なので。そういえば細野晴臣がこないだラジオで、そろそろライブでピアノ弾こうかな、と話していました。

 

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8.くるり - TEAM ROCK (2001)

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くるりで何か1枚選ぼうと思ったらこれになりました。Beckといい細野晴臣といい、色々な音楽性でアウトプットする人たちが好きな部分があります。くるりはメロディーとコードが好きなんだと思うのですが、考えてみるとどうして好きなのかは言葉にはなかなかできません。この中では「愛なき世界」「カレーの歌」「ばらの花」「迷路ゲーム」「リバー」あたりが特に好きです。「ばらの花」って形容しがたい良さがあります。そのせいか最初はそんなに好きじゃありませんでしたが、今では大好きな曲の一つです。

 

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9.星野源 - ばかのうた (2010)

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星野源にとっての『HOSONO HOUSE』。

星野源は意図的に歌の題材を日常や生活の中の歌になりにくそうなところから見つけ出してきます。それがあざとく感じる時もあり、逆にどうしようもなくぐっとくることもあり、結果的に大変好きなアルバムであることは確かです。

2nd、3rdにいくにつれて音楽性が広がっていって、今はもうこういうシンプルなアルバムはきっと出さないだろうなという内容ですが、そのシンプルな編成の楽曲がなかなか素敵です。このアルバムで高田漣とそのペダルスティールが好きになりました。

何曲かコピーしましたが少し難しいんですよねコードが。それゆえに星野源らしいコードって聴くとけっこうわかりやすかったりします。

アルバム中で唯一本人以外が作曲している「ただいま」(細野晴臣作曲)や、他にも「ばらばら」「夜中唄」「くせのうた」「兄妹」「穴を掘る」など良い曲が多いです。

 

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10.スチャダラパー - 5th Wheel 2 The Coach (1995)

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僕が初めて聴いたヒップホップのアルバムがこれ。高校生の一時期ずっと聴いてました。日本語ラップの面白さはここにたくさんつまっていると思います。ラップの面白さとトラックのかっこよさ。90年代のセンスが濃縮されている感じで、しかもこのアルバムが出た約1ヶ月前に生まれた者としては古い言葉が満載だったりして、そこも逆に楽しいところです。ヒップホップの入り口としてこれを選んだ自分、よくやった。

このアルバムの名曲といったらサマーソングのクラシックといっても差し支えない「サマージャム'95」って感じですが、「From 喜怒哀楽」も相当良い曲です。

 

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後半へつづく。